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バブル崩壊
今では伝説、バブル景気
一般的に1980年代後半から1990年代初頭までの時代を指す「バブル景気」。
巷では、今では信じられないお金の使い方がされていたと聞きます。
今回、バブル経験者にアンケートをして、その驚くべきエピソードを集めてみました。

タクシーは万札で停める
アンケート回答の中で最も多く出てきたのが、タクシーのエピソードでした。当時のタクシー事情がどのようなものなのか見てみましょう。

①飲み屋にいて、次の店に行くためタクシーを呼ぶと、2~3時間待ちは当たり前。でもみんな普通に待っていた。
②タクシーが捕まらない。やっと捕まえてもチケットでないと乗車拒否。
③夜の新橋や有楽町辺りでタクシーを拾う時、万札を見えるように掲げて手を上げないとタクシーが止まらなかった。

待ち時間、タクシーの拾い方を見ても、現在とは大きく違っていることがわかります。
現在ではタクシーを2~3時間も待つ事はないです、乗車拒否などするタクシーは、間違いなくクレームが来ることでしょう。
当時はタクシー側が乗客を選ぶ時代だったということが、よくわかるエピソードでした。

残業200時間。新入社員ボーナス60万
給料や残業など、仕事に関するエピソードも、数多く集まっていました。

④年収が10年でになりました。ただ休みもありませんでした。
⑤新入社員の時、ボーナス60万円だった。夢のような時代…。
⑥油にまみれる仕事でしたが、仕事だけはたくさんありました。あと、人がまったく集まらず、新入社員の質がとことん落ちていました。名前が書け返事ができれば合格とかね。
⑦ともかく、忙しかった!今じゃ考えられないが、残業200時間なんて当たり前で。自分の時間か、仕事の時間かわからない毎日でした。
⑧バイトのお弁当が超豪華だった。デパ地下米八とか。あとは、お菓子も食べ放題だったし、ジュースも飲み放題だった。

「24時間戦えますか」というリゲインのコピーもありましたが、異常に働かされるが、その分、異常に収入も得られる時代だったようです。
また、企業の「採用難」は今も同じですが、まったく違うのはバブル期の待遇が凄まじかった事です。

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毎週100万単位で値上がり
バブルと言えば、株式や不動産投資。そんなエピソードも沢山ありました。

⑨渋谷の中古マンションの価格が毎週100万単位で上がっていった。今買わないと二度と買えなくなるような雰囲気だった。最後にババを引いた人は大変だったと思う。
⑩不動産屋が土地を売ってくれと、毎日のように訪ねてきた。
⑪株を買うとほぼ100%値上がりするので、周りに株を買う人が増えた。
⑫毎晩飲み歩き。借金してでも、株と不動産の投資。

バブル時代は、土地や株を買っておけば必ず値上がりすると信じられていました。そのため、土地や株に投資して利益を出そうとする人が多くいたようです。しかし、バブル崩壊に伴い、売り時を逸したため結果的に大損をしてしまった人も少なくありません。

今では、適当な所で引けなかった欲深さが原因、とかんたんに批判できますが、こんな熱病のような世相では、普通の人なら引くことは難しかったでしょうね…。

1,000円は100円

バブル景気は羽振りがいい人や企業が多かったですが、日常生活はどのようになっていたのでしょうか。

⑬毎晩、退社後飲み歩いていた。お金の感覚のがひとつ違っていた。
⑭100円ショップが広がる以前には、1000円商品がワゴンセールされて、安く感じたが、商品としては粗末なものだった。
⑮就職面接に行ったら、日当が出たり交通費が出るのは当たり前だった。
付き合ってなくても、会計は男性が払ってくれる。女性は洋服などにお金をたくさん使う。ブランド当たり前。

これらのエピソードも、当時の金銭感覚が現代と大きく違うことがよくわかります。
1,000円といえば決して安いお金ではありませんし、ましてや粗末な商品であればクレームにつながっても不思議ではありませんよね。

また、当時の女性は男性におごってもらったり、ブランド品を買ってもらうのが当たり前、女性にとって都合がいい、“アッシー君”や“メッシー君”も、普通の社会現象でした。

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価値観が違って当たり前

それまでに例がなく、その後にもありえない。まさに「空前絶後」を地でいっていた、金銭欲と物欲が渦巻いていた「バブル景気」の異常さがよくわかりました。

バブル世代と、バブル崩壊後世代では、考え方や価値観がまったく違うと言われます。が、そもそも、バブルのような狂った時代を経験していれば、それが違うのは当たり前。
今の若者の考え方がよくわからない。今の価値観やモラルは劣っている。昭和こそ良かった。そんな事を言う、中高年は未だに多いです。

しかし、少子高齢化はどんどん進み、昭和のような経済発展は絶対に望めない。そんな「2017年の今」から見れば、自分たちの昭和の経験や価値観こそ特殊である。
そんな、現状認識をしっかり持つ人が、時代に合った価値観を持つ人と言えるでしょう。

記事協力:ミルトーク